接触型と非接触型の温度計測

温度測定は製造業、鋳造業界で非常に重要な工程と言われています。

適切な温度管理製造製品の品質に直結します。

温度計測には主に接触型非接触型の方法があり、それぞれ異なる特性と用途があります。

この記事では、接触型と非接触型の温度計測の違いについて説明していきます!

目次

接触型温度計測

熱電対

熱電対は、2種類の異なる金属が接触する部分の温度によって生じる

熱起電力を利用して温度計測する装置です。

鋳造業界では、特に高温の炉や溶融金属の計測に広く使用されています。

利点

・高精度

接触して計測するため、非常に高精度な温度計測が可能

・広い温度範囲

低温から超高温まで広い温度範囲で使用可能

・コスト効果

低コストで利用できる

欠点

・接触が必要

測定対象に直接接触する必要があるため、取り付けやメンテンナンスが必要

・耐久性

高温や化学的な環境での長期使用には劣化が生じる

・設置の手間

熱電対を設置するためには専門知識が必要な場合もある。そのため設置作業に手間がかかることがある。

非接触型温度計測

サーモカメラ

サーモカメラは、物体から放射される赤外線を検出し、

その温度分布を画像として表示する装置です。

鋳造業界では、炉の外壁や製品の表面温度の監視に使用されます。

利点

・広範囲計測

一度に広い範囲の温度分布を可視化できる

・高速

瞬時に温度を計測できるため、リアルタイムでの監視が可能

・非接触

物体に触れずに温度計測が可能なため、高温や危険な環境でも安全に使用できる

欠点

・高コスト

高精度のサーモカメラは高価

・精度の限界

表面温度しか計測できず、内部温度の計測は不可能

・環境依存

計測環境の影響を受けやすく、反射や周囲の温度により計測誤差が生じることがある

用途

下記では簡単にですが、それぞれの用途をご紹介します!

熱電対の用途例

・溶解炉の温度監視

炉などの高温環境での温度監視

・品質管理

鋳造製品の温度プロファイルを詳細に監視し、品質を保証

・金型の内部温度監視

熱電対を金型に仕込むことで、より高精度で金型の内部温度を監視する

サーモカメラの用途例

・炉の外壁温度監視:炉の外壁の異常温度を検出し、早期メンテナンスを可能にする

・製品の表面温度測定:鋳造製品の表面温度をリアルタイムで監視する

・安全管理:高温環境での作業者の安全確保のため、危険領域の温度を監視する

まとめ

接触型非接触型の温度計測方法は、それぞれ異なる特性を持ちます。

そのため鋳造業界では用途に応じて使い分けることが重要です。

広範囲かつ迅速な温度計測が求められる場合は非接触型のサーモカメラ

高精度且つ直接的な温度計測が必要な場合は接触型の熱電対

上記のように用途に合った選択をすることで、適切な温度管理を実現できるでしょう。

鋳造業界における適切な温度計測方法の選定は、製品の品質向上と安全性の確保に大きく貢献します。

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この記事を書いた人

自社開発及びメーカー企業からの受託開発をメインに展開する、仙台発のベンチャー企業『匠ソリューションズ(株)』のSolution事業部所属。
鋳造業界のDX化をサポートしています。
素晴らしい技術を伝承すると共に、日本のものづくりの更なる発展に少しでも貢献できたら幸いです。

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