製造業や検査工程の自動化において注目を集めているAI外観検査。
「どんな欠陥に強いのか?」「AIでも見逃してしまうケースはあるのか?」
実際に導入を検討している企業の皆さまにとってAI外観検査の得意・不得意を正しく理解することは非常に重要です。

本記事では、AI外観検査の得意なパターン・苦手なケースを具体的に解説し、導入前に確認しておきたいポイントを整理します!
AI外観検査とは?あらためて基本をおさらい
AI外観検査とは、AI(人工知能)を活用して製品の表面や部品の欠陥を検出する技術です。
従来の目視検査やルールベースの画像処理では検出が難しかった複雑なパターンや微細な欠陥も、AI外観検査は高精度で捉えることが可能です。
特にディープラーニングを使ったAIモデルでは、「正常・異常」の定義があいまいなケースも柔軟に学習し対応でき、人間的感覚も数値化できることが強みです。





AI外観検査についての詳細は以下の記事をご覧ください!


AI外観検査が得意とする分野
はじめに、AIが得意とするのは以下のようなケースです。
- 大量の良品・不良品画像データが用意できる製品
- 微細なキズや色ムラ、形状の不具合など、人の目でも見逃がしやすい異常
- 製品ごとに若干バラツキがあっても、AIが柔軟に学習できるケース


半導体や電子部品、塗装のムラやキズなど、人の目でも判断が分かれるようなグレーな欠陥に強い傾向があります。
これらのパターンは、人手による検査でもバラツキが出やすいため、AI導入によって安定化・品質向上が期待できます。
たとえば、半導体や自動車部品、食品パッケージの分野では、AI外観検査の導入が進んでいます。
これらの業界では、微細なキズや異物混入、印刷ミスなどを高精度で検出でき、品質向上や省人化に大きく貢献しています。
AI外観検査が苦手とするケースとは?
一方で、AI外観検査には以下のような苦手なケースも存在します。
- 学習用の画像データが十分に集められない製品(サンプル不足)
- 発生頻度が極端に低いレアな不良(AIが学習できない)
- 光の反射や背景ノイズが大きく、画像の品質が安定しない対象
- 検査基準や製品仕様が頻繁に変わる現場


学習済みAIにとって想定外の入力(例:照明や環境の変化、新しい不良パターン)は誤検出や見逃しに繋がるリスクがあり、
AIが万能ではない点に注意が必要です。



しかし、レアケースの不良などについては、反対に良品を判定する方法で試すことで、AI外観検査での検出が可能になった事例などもあり、対応策を考えることで活用可能になることもあります。
導入前に確認すべき「AIで自動化すべき領域」
AI外観検査は、すべての工程に導入すれば効果が出るという物ではありません。
まずは以下のポイントを確認することが重要です。
- 検査対象となる製品や欠陥の基準に一貫性があるか
- 過去の検査データや画像データがどれだけ蓄積されているか
- リアルタイム処理が必要かどうか(必要な場合はエッジAIの活用も検討)
これらを事前に精査することで、失敗しないAI導入の計画が立てやすくなります。
まとめ:AIの得意・不得意を把握して、導入の最適化を
AI外観検査は強力なツールですが、すべてをAIに任せるのではなく、得意分野と不得意分野を見極めて、他の検査手法や
現場のノウハウと組み合わせて活用することが重要です。
特にエッジAIとの組み合わせによってリアルタイムな検査を実現したい場合は、実装の難易度も高くなります。
自社での開発リソースが不足している場合は、外部のAI開発パートナーに相談することも現実的な選択肢の一つです。



匠ソリューションズでもエッジAI開発に取り組んでおり、画像解析や外観検査についての実績もございますので、お気軽にお問い合わせください!
匠ソリューションズ(株) エッジソリューションチーム
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