RGBカメラの限界とは?マルチスペクトルで“見えない違い”が見える理由

目次

RGBカメラでは「見えない違い」が確かに存在する

RGBカメラの限界は、「色として見えている情報」しか扱えない点にあります。
このカメラは可視光の3原色(赤・緑・青)がセンサーに届く強さに記録して画像化します。

しかし、それは人の目に見える範囲(約400~700mm)の一部に限られています。
一方、マルチスペクトルカメラは、同じ色に見える対象でも材料・成分・状態の違いを波長の違いとして捉えます。

つまり、

  • 人の目にも
  • 通常のRGBカメラにも

同じように見えるものが、実際には全く異なる情報を持っているという事です。

この差を放置すると、外見検査・異物検査・AI画像認識などの判断精度が頭打ちになります。
見えていない違い=誤判定の原因。
まずはRGBカメラの仕組みを理解することが、精度向上の出発点です。

本記事では、RGBカメラの限界とマルチスペクトルカメラで見える理由を簡単に解説します!

RGBカメラは「色」を見ているだけではない?よくある誤解

RGBカメラは

の3つの情報を使って画像を作ります。

人間の目が感じる可視光(約400~700nm)を赤・緑・青の3つの波長帯に分けてデジタル化しているだけです。
そして、各帯域は広く、波長内の詳細な反射特性までは取得できません。

そのため、

  • 色が似ている素材
  • 表面状態が似ている対象
  • 照明条件で見え方が変わる対象

では、違いを捉えきれないケースが多く発生します。

これが「RGBカメラの限界」と呼ばれる理由です。

同じ色でも「材質・成分・状態」は異なる

例えば、

  • 同じ黒色の樹脂とゴム
  • 見た目が似た食品原料
  • 劣化前後で色がほとんど変わらない部分

これらはRGB画像では区別が困難です。

しかし実際には、反射している光の波長分布は異なっています。
この「色にはならない違い」を拾えるのが、マルチスペクトルカメラです。

物質は固有の呼吸・反射特性(スペクトル特性)を持つため、同じ色に見えても波長ごとの反射率パターンは異なります。
次に紹介するマルチスペクトルカメラは、この「物質固有の波長パターン」の差を捉えることで違いを検出します。

マルチスペクトル/分光の活用をもう少し具体的に検討したい方は、関連情報をこちらにまとめています。

マルチスペクトルカメラとは何か?

マルチスペクトルカメラは、RGBに加えて特定の波長体を複数取得します。
波長ごとに反射光を取得する「ミニ分光カメラ」のような仕組みです。

主な特徴は以下の通りです。

  • 分光カメラほど、波長数は多くない
  • しかしRGBよりも明確に情報量が増える
  • 現場・AI用途で扱いやすい

さらに、物質ごとの反射特性の違いを数バンドで把握することで、色の違いが見えなくても成分差を検出できます。

つまり、「RGBでは足りないが、分光ほど重くしたくない」というニーズに対する現実的な解です。

マルチスペクトルカメラは、複数の波長帯で反射光を取得します。
物質は波長ごとに異なる吸収・反射特性を持つため、RGBでは同じに見える領域でも、波長パターンに差が現れます。

分光カメラとの違いをどう考えるべきか

ここで良く出てくる疑問が、「分光カメラとマルチスペクトルカメラの違い」です。

つまり、

●分光カメラ

  • 波長分解能が非常に高い(数nm単位で波長データを取得)
  • 研究・開発向け
  • データ量・処理負荷が大きい

●マルチスペクトルカメラ

  • 必要な波長を数点に絞って取得(10波長以下が一般的)
  • 現場・PoC・AI向け
  • 運用・処理が容易

という違いがあります。

多くの現場では、必要十分なのはマルチスペクトルというケースが少なくありません。
例えば、研究用途では分光カメラで細かい分析を行い、実際の生産ラインではマルチスペクトルに置き換える、といった使い分けが一般的です。

外観検査や識別精度の改善に向けて、波長情報をどう扱うかを整理したい場合は、こちらも参考になります。

AI活用で見落とされがちな「入力情報」の問題

AI画像認識の精度が出ないとき、「モデルが悪い」「学習データが足りない」と考えがちです。
しかし、実際には、RGB画像そのものに情報が含まれていないというケースも存在します。

つまり、モデルをいくら改善しても“そもそも入力が足りていない”場合、AIの出力が改善しないのは当然なのです。

マルチスペクトルカメラは、AIに渡す前の「入力の質」を変える手段の一つです。

まとめ:RGBでは見えない違いは、確実に点在する

改めて要点を整理します。

  • RGBカメラには構造的な限界がある
  • 同じ色でも、材質・成分・状態は異なる
  • マルチスペクトルは「少し波長を見る」現実的な解
  • AI活用や検査精度向上のカギは入力情報にある

「RGBで見えない違い」は、マルチスペクトルなら確実に捉えられます。
AIや検査の精度を上げるためには、まず入力情報を見直すこと。

RGBとマルチスペクトルの両データを比較するだけでも、次の改善への発見があります。
まずは、“どの波長情報が自社の課題に効くのか”を見極めることから始めましょう。

見える」「見えない」を同時同軸で捉えるマルチスペクトルカメラモジュールを紹介しております。
RGBカメラとの違いや利点などについてのご相談も承っておりますので、「何ができるのか詳しく知りたい」「まずは相談だけしたい」という方もお気軽にお問合せ下さい。

マルチスペクトルを同時同軸で捉える「マルチスペクトルカメラモジュール」

通常のカメラでは検出できない、複数の波長の画像を同時に検出します。

  • 380nm~1680nmの幅広い波長帯を同軸で同時撮像。
  • 可視光+近赤外+短波赤外を1つのモジュールに集約
  • 外観検査・物体認識の精度を次の次元へ。
  • インタフェース:MIPI-CSI2

製造、検査現場などで様々な課題に対応できます。詳細の説明やご相談、サポートもいたしますので、お気軽にお問合せ下さい。

詳細は下記ページをご覧ください。

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