Jetsonのモデル、どれを選ぶ?モデル別に簡単解説

目次

はじめに:Jetsonにはいくつか種類がある

Jetsonについて調べて始めると、最初に気になるのが「モデルの違い」なのではないでしょうか?

名前だけ見ても、Nano、Orin Nano、Orin NX、AGX Orinなど…
似たような名称が並び、それぞれの特徴が見えづらいのが正直なところです。

「どれが自分のやりたいことに合っているのか」
はじめてJetsonに触れる方にとっては、少し迷いやすいポイントだと思います。

また、「AIを動かす」といっても、目指すゴールは人によって異なる物だと思います。
目的に合ったモデル選定が出来るように、それぞれの特徴を見ていきましょう。

本記事では、Jetsonシリーズの主要モデルにを用途視点で簡単に比較していきます!目的に合ったモデルが見つかる手がかりになれば幸いです。

ざっくり4つに分けて考えると分かりやすい

現在流通しているJetsonシリーズは、代表的なもので以下の4つに分けられます。

モデル名主な用途特徴
Jetson Nano学習・趣味安価で手軽。AIを体験できる
Jetson Orin Nano軽めの業務・PoC検証小型で低価格でも実用性あり
Jetson Orin NX本格PoC・小規模導入処理能力と拡張性のバランス◎
Jetson AGX Orin高度なAI処理マルチモデルや高精度処理に対応

価格帯も処理能力もそれぞれ異なるため、「何をしたいか」や「どこまで目指すか」によって選ぶべきモデルは変わってきます。

Jetson Nano:まずは試してみたい人に

Jetsonを初めて使うなら、まず名前が挙がるのがJetson Nanoです。
価格は1万円台からと手に取りやすく、比較的軽量なモデルであれば、スムーズに動作します。

画像認識などの基礎的なタスクには十分対応できるため、「AIってどんな感じなのか触ってみたい」
というニーズにはぴったりです。

Raspberry Piのような感覚で扱えるので、教育用途や趣味の開発にも向いています。
ただし、性能には限りがあるため、本格的な業務用途やPoCにはやや物足りなさを感じる場面もあるかもしれません。

Jetson Orin Nano:実験から現場検証へ

「ちょっとしたPoCを始めて見たい」「AIの処理性能をもう少し確保したい」
そんなときは、Orin Nanoがちょうどいい立ち位置にあります。

従来のNanoと名前は似ていますが、性能は大きく向上しています。
リアルタイム物体検出や、カメラ映像の処理などにも十分対応可能。
AIの実用レベルを意識した開発ができるのが特徴です。

例えば、工場で人の動きを検出したり、店舗で人流を分析したりといったシンプルなAIタスクはこのモデルで十分です。
そのため、PoCの入り口でとしては、コストと性能のバランスが非常に優れているモデルといえるでしょう。

なお、複雑なAIモデルや高解像度の映像解析などは、Nanoだとパフォーマンス不足になる場合もあります。

Jetson Orin NX:PoCの先を見据えるなら

Orin Nanoでは性能に余裕がないと感じたら、次のステップがOrin NXです。
このモデルはAIモデルの同時実行や複数センサーからのデータ処理などにも余裕をもって対応できます。

工場の映像解析や作業者の動線監視、異常検知+通知など、より実践的なAI活用を目指すなら、このクラスが安心です。

製品化やシステム導入を前提とした環境づくりにも適しており、
「動けばいい」から「運用できる」へステージを進めたい場合には心強い選択肢となります。

Jetson AGX Orin:高負荷なAI処理に対応

Jetsonシリーズの中で最も高性能なのがAGX Orinです。
自律移動ロボットや医療系デバイスなど、高精度かつ大量の処理が求められる分野で使用されています。

画像・音声・センサーなど複数のデータを統合して処理するような、
いわゆる“重たいAI処理”を実現するにはこのモデルが適しています。

一方、本体価格が10万円を超えることもあり、電源やサイズにも条件があります。そのため、PoC段階ではややハードルが高めです。

また、AGX Orinは消費電力も大きいため、AC電源の確保や放熱設計が必要になります。
プロジェクトのフェーズや処理負荷に応じて、慎重に導入を検討したいモデルです。

モデル選びで迷ったら

モデル選定は悩ましいところですが、「今どの段階にいるか」で考えると選びやすくなります。

AIに触れてみたいならNano、PoCを手軽に始めたいならOrin Nano、
現場導入を意識するならOrin NX、本格的な製品開発にはAGX Orin。

Jetsonシリーズはすべて同じ開発環境(JetPack)で動かせるので、ステップアップしやすいのも魅力の一つです。

まずはNanoやOrin NanoでPoCを実施し、成果や課題を見極めてから上位モデルへステップアップするのもおすすめです。

まとめ:目的に合った1台を

Jetsonシリーズは、AI開発の入り口から本格運用まで幅広く対応できる優れたプラットフォームです。
ただし、それぞれのモデルには明確な特徴があることを理解しておくことが大切です。
「なんとなく」で選ぶと後悔してしまう可能性も出てきます。

「自分がどの段階にいて、何を目指しているのか」
その目的に合わせてモデルを選ぶことで、Jetsonをもっと上手に活用することができます。

どのJetsonモデルも、OSのバージョン管理や、最新AIライブラリへの対応可否、電源/温度対策など、
運用面での設計・保守も重要となります。

モデル選定後は、実際の現場環境に合わせて導入可否を再確認することも重要となります。

当社では、エッジAIソリューションの受託開発を行っています。
Jetsonを活用したソリューションに関するご相談も承っています。
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匠ソリューションズ(株) エッジソリューションチーム

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