Jetsonだけじゃ動かない?実は必要なAI開発の“まわりの機器”とは

目次

はじめに:Jetsonは”単体”では動かない

NVIDIAのJetsonシリーズは、手のひらサイズの高性能なAIコンピュータとして注目を集めています。

ただし、Jetson本体を用意するだけではAIは動きません。

実際の業務や現場で活用するためには、様々な周辺機器や構成要素を組み合わせる必要があります。

本記事では、Jetsonを活用したエッジAI開発を検討する際に知っておくべき「必要な周りの機器」をわかりやすく解説します!

構成①:入力デバイス(カメラ・センサー)

JetsonでAI処理を行うには、まず情報の入力が必要です。最もよく使われるのがカメラや各種センサーです。

▶カメラ(映像入力)

  • USBカメラ:簡単に接続できる汎用タイプ。初期のPoCに最適。
  • MIPI CSIカメラ:Jetsonのボード直結用カメラインターフェース。
            低遅延・高画質に有利だが、配線やドライバ設定など技術的知識が必要。
  • IPカメラ:ネットワーク経由で接続。複数台・広域監視に便利。

AIによる「物体検出」「人数カウント」「姿勢推定」などの用途では、映像の質とフレームレートが精度に直結します。そのため、カメラ選びは非常に重要です。

▶その他センサー類

  • 距離センサー(人の接近検知など)
  • CO2センサー(環境管理)
  • RFID・温湿度センサーなど(IoT連携)

構成②:電源と筐体(ハード面の安定性)

Jetsonを安定して動かすには、適切な電源供給と物理的な保護も欠かせません。

▶電源まわり

  • Jetsonはモデルによって5V~19Vの供給が必要
  • 安定した電圧を出力できるACアダプタ/DC電源ユニットを選ぶ
  • モバイル運用ならモバイルバッテリー+昇圧回路設計も必要

▶ケース・ヒートシンク

  • Jetsonは発熱しやすいため、ヒートシンクやファン付きの筐体が必須
  • 屋外や工場などでは防塵・防水対応のケースも検討すべき

実際にPoCで電源容量不足や放熱設計の不備が原因で、処理が不安定になるケースはよくあります。周辺環境は“軽視しがちな落とし穴”です。

構成③:ソフトウェア環境(OS・SDK・AIモデル)

Jetsonを動かすには、ソフトウェアの準備も欠かせません。

▶OS(JetPack)

JetsonにはLinuxベースのOS「JetPack」が使われます。
この中に、以下のようなAI処理に必要なツール群があらかじめ組み込まれています

  • CUDA(GPU活用ライブラリ)
  • cuDNN(深層学習向けライブラリ)
  • TensorRT(AI推論高速化)
  • DeepStream(映像解析向けSDK)

JetPackは開発者向けですが、導入構成としては“必須の土台”です。

▶AIモデル

  • YOLO(物体検出)
  • SSD/ResNet(画像分類)
  • OpenPose(姿勢推定)など

Jetsonで動かすには、モデルの軽量化・最適化(TensorRT変換など)が必要になることもあります。
また、AIモデルやライブラリは定期的な更新や再学習が必要になります。保守運用を考えた設計が欠かせません。

構成④:ストレージと通信環境

Jetsonにはオンボードストレージがありますが、業務利用では追加ストレージやネットワーク通信の設計も重要です。

▶ストレージ

  • microSDカード(Nanoなど)
  • eMMC/SSD(Orinなど)
  • USBメモリや外付けSSDも利用可能だが、業務利用では速度・耐久性の観点からSSDやeMMCが望ましい。

▶通信

  • 有線LAN(安定性重視)
  • 無線LAN(Wi-Fi)、Bluetooth
  • モバイル回線(LTE/5G)でリモート設置も可

通信方式によっては、Jetson用のドライバ設定やOS側の調整が必要になるケースもあります。
特にリモート環境やLTE/5G通信を利用する際は、VPNや暗号化などセキュリティ設計も必須です。

構成⑤:Jetsonを動かす人:開発者

ここまで見てきたように、Jetsonを業務で活用するにはハードとソフトを組み合わせた全体設計が必要です。
そして、それを一貫して設計・実装・運用できる人材は社内にいないというケースも多いのが実情です。
Jetson導入にあたっては、以下のような観点からパートナー企業のサポートを検討するのがおすすめです。

  • PoC構成の設計
  • 最適なカメラ・センサー選定
  • モデル選定・実装支援
  • 開発・保守までの一括対応

まとめ:Jetson活用にはまわりの設計が重要

Jetsonは非常にパワフルなAIデバイスですが、その真価を発揮するためには、周辺機器との組み合わせと構成設計がカギになります。

  • 入力(カメラ・センサー)
  • 電源・ケース・熱対策
  • ソフトウェア(OS/SDK/モデル)
  • 通信・ストレージ環境
  • 設計・実装できる人的リソース

Jetsonに「できる/できない」を語る前に、まずは「どう組むか」「誰と進めるか」の視点を持つことが、成功への第一歩です。
まずはPoCで“小さく始める”ことをおすすめします。最低構成で一度試し、成果や課題を可視化したうえで本格導入へ進めると失敗リスクを抑えられます。

当社では、エッジAIソリューションの受託開発を行っています。
Jetsonを活用したソリューションに関するご相談も承っています。
「何ができるのか詳しく知りたい」「まずは相談だけしたい」という方も、お気軽にお問い合わせください。

匠ソリューションズ(株) エッジソリューションチーム

当社「エッジソリューションチーム」では、 エッジAI技術を活用したソリューションの設計/開発を手掛けています。

一例として

NVIDIA Jetson活用による小型/高速化

CPU、GPUのプログラム最適化

など、さまざまなサポートをいたしますので、 お気軽にご相談ください。

詳細は下記ページをご覧ください。

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