製造ラインにAI技術を活用した「自動化/省人化」が急速に広がる背景
製造ラインにおける不良品検知は、これまで熟練作業者の目視に頼られてきました。
しかし近年、人手不足や調査精度向上の課題から、自動化を進める企業が増えています。
とはいえ、「どんな手法や装置があるのか?」「導入ステップは?」と悩まれている方も多いでしょう。


本記事では、導入ステップから選べる活用法と現場活用例までわかりやすく簡単にまとめて解説します!皆さまは次のアクションをイメージできる内容となっています。
製造ラインで不良品を自動化するためのステップ
具体的にどんな製品か?(例:金属部品/食品包装)
具体的にどんな欠陥を見つけたいか?(例:0.01mm以上のキズ・異物混入)
ライン速度や導入可能な予算は?
など、製品の種類、不良パターン、生産スピード、導入予算などを整理することからはじめます。
これにより、どの部分をどのくらい自動化すべきかが見えてきます。
自動化の実現には画像データが必要不可欠なケースがほとんどです。
特に不良品データが不足しがちのため、過去の検査ログや意図的に不良を作成して撮影する方法も有効です。
照明条件は実際の製造環境と一致させましょう。このデータが精度に直結します。


今回は3つの選択肢を紹介します。
●ルールベース
特徴:あらかじめ設定した閾値や形状パターンに基づき判定する
向いているケース:単純な形状や色差がある製品
注意点:複雑な不良には対応しにくく、品種変更時には再設定が必要
複雑な不良には対応しにくいという課題はありますが、比較的容易に導入が可能です。
●AIベース外観検査
特徴:大量の画像データで学習させることで、人間では気づきにくい微細な欠陥も検出可能
向いているケース:細かいキズ、汚れ、色ムラなど複雑な検査対象
注意点:学習データ整備とモデルチューニングにノウハウが必要
学習用のデータ御準備にハードルを感じる場合もありますが、想定外の不良にも対応が可能になります。
●エッジAIデバイス一体型検査装置
特徴:製造ライン上で画像処理から判定まで現場完結(低遅延・低通信量)
向いているケース:ラインスピードが早く、クラウド送信が難しい現場。リアルタイム性を重視する現場。
注意点:エッジデバイス選定とAIモデルの軽量化が導入成否のポイント
導入設計には専門知識が必須になります。しかし、クラウド送信が不要な為、低遅延で検査が可能です。
専門的な知識が必要な領域は開発パートナーと協力することで効率化に導入が進むでしょう。


導入後は必ずテスト運用を行い、検出率や誤判定が許容範囲に収まるかを実証します。
精度が出るまで閾値やモデルの再学習を繰り返すことが重要です。
新製品や新たな欠陥が出るたびにデータを追加し、再学習する体制を整えます。
これにより、精度を長期にわたり維持することができます。
新たな不良パターンが出た際は、『教師なし学習』を活用すれば、不良品データなしでも異常検知が可能です。
また、定期的なモデル再学習のためデータバージョン管理ツールの導入を推奨します。
この技術で実現できる装置例
前項「製造ラインで不良品を自動化するステップ」STEP3で紹介した技術を利用することで、様々な装置に展開可能です。



ここではルールベース、エッジAI、AI学習型の技術を活用し、自動化や省人化を実現するための装置例を紹介します。


✅ライン据え置き型検査ステーション
コンベア横にカメラと照明、エッジデバイスを搭載。製品通貨と同時に撮影し、判定が可能なオールインワンユニット。
✅協働ロボット連動の選別装置
AIがNG品と判定したらロボットが即座にピッキング。人手作業が不要となり、生産ラインのタクトタイム向上に寄与します。
✅既存検査機のAIモジュール追加
既に運用中の検査機にAIモジュールを後付けすることで、高度な検査機能を拡張する手法です。
少ない初期投資で導入できるため人気です。
✅リモート監視可能な検査ユニット
現場とは別室で検査結果を一元管理できるクラウド接続ユニット。複数拠点に展開している製造業に最適です。
これらの装置は現場ごとのニーズに合わせて柔軟に導入できるため、費用対効果が出やすく、導入後すぐに成果を上げやすいのが特長です。


まとめ:現場に合わせたAI外観検査で製造ラインをスマート化
製造ラインにおける不良品検知自動化には、課題整理から手法選び、装置導入、運用体制の整備までステップが必要です。
ルールベースからAI、エッジAIまで手法も装置も多彩なので、現場に最適な手法を選びましょう。
最初は既存検査機へのAIモジュール追加から始め、効果を検証後、全ライン展開する段階的アプローチがリスク最小です。
専門知識が不足する場合は、エッジAI開発実績があるパートナーとの協業も有効です。



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