はじめに
鋳造現場では、温度管理が品質を左右する重要な要素となります。
適切な温度を保つことで、製品の精度や耐久性が向上し、不良率の低減にも繋がります。
しかし、従来の方法はリアルタイムで温度を把握しづらく、データの収集や管理に課題を抱える企業様も少なくありません。
今回ご紹介するオカダ合金株式会社様は、アルミ鋳造の分野で高品質な製品を生み出している企業です。
同社では、鋳造条件の最適化を目指し、工場のDX化を推進。
その一環として、当社のワイヤレス温度ロガー『TWINDS-T』を導入いただきました。

本記事では、導入の背景をご紹介します。
オカダ合金株式会社様
オカダ合金株式会社様は、石川県かほく市に本社を構え、1962年の創業以来、高品質なアルミ合金鋳物の鋳造に
取り組まれている部品製造企業です。
独自の「簡易金型鋳造」や美しい肌を実現する「Vプロセス」を採用し、多品種・小ロット・中ロット生産にも対応。
産業用ロボット部品や電子機器部品、重電器設備部品など、幅広い業界に高精度なアルミ鋳物を提供しています。
2019年からは、社員一丸となって温度を含めた工業のDX化を推進。
その一環として、当社のワイヤレス温度ロガー『TWINDS-T』を導入いただきました。
オカダ合金株式会社様HP
TWINDS-T導入の目的
※下記、オカダ合金株式会社 専務取締役 魚野様インタビュー内容
鋳造条件で一番大事なのが湯の温度や型の温度。
それが確実に見えていませんでした。そのため、まずは情報収集として見える化・データ集計が重要と考え、
型温測定の導入を検討していました。
その過程で『TWINDS-T』がダイカスト金型の多チャンネルを記録できること。さらにWi-Fi経由でデータを
取得できることが分かり、導入を決定しました。
特に、オカダ合金の鋳造機は移動可能な仕様であり、有線接続では不便が生じるため、
ワイヤレスで温度データを取得できる点が導入の決め手となりました。


温度管理による現場改善
※下記、オカダ合金株式会社 専務取締役 魚野様インタビュー内容
最大の目的は不良率の低減でした。しかし、そのためには不良を事前に察知するための指標が必須です。
『TWINDS-T』の導入により、温度の可視化が可能になったことで、その指標の分析が可能となりました。
現場作業者や管理者は、鋳造した部品の品質を巡回して確認する体制を取っており、1時間に1回チェックを実施します。
その際に、湯温や型温が適正であるかをリアルタイムで確認できるようになり、製品の品質との相関を見極めができました。
また、作業者は常に温度の変化を確認できるようになりました。例えば、慣れていない作業者でも型温の
適正温度(350℃~400℃)を維持するための管理が容易になりました。
サイクルを重ねるごとに5℃、10℃、15℃と温度が低下するという問題もありましたが、その際に型温が適正を外れる前に再加熱を判断する基準として活用しています。
その結果、不良を未然に防ぎ、迅速な対応が可能になり、品質管理の精度も向上しています。
まとめ
オカダ合金株式会社様では、鋳造条件の最適化を目的に『TWINDS-T』を導入し、温度監視の課題を解決しました。
リアルタイムのデータ収集により、作業者の判断基準が明確になり、不良の発生を未然に防ぐ体制が強化されました。
鋳造現場では、温度管理の改善が生産効率や品質向上に繋がります。『TWINDS-T』は、それを解決するツールになり得ます。
温度の可視化に課題を感じている企業様はぜひ、ご検討、ご相談ください。