品質の向上・生産率向上において、温度監視・管理は極めて重要な要素だと思います。
そのため、品質向上や生産効率向上に向けて、日々試行錯誤している方が多いと思います。
その中で、「金型に熱電対を設置できるのか?」という質問をよくいただきます。
実際のところ、自社で金型製造を行っている企業では、短時間で加工を完了させることが可能です。
しかし、まだ金型を加工するといった点にハードルを感じているケースも見受けられます。

今回は、弊社のワイヤレス温度ロガー『TWINDS-T』をもとに、金型への熱電対設置について、設置方法とポイントを詳しく解説します!


なぜ金型に熱電対を設置するのか?
最も多いご要望として、「溶湯に最も近い温度を計測したい」というものがあります。
確かに、温度管理・温度監視を行う際に溶湯近くの金型温度を把握することは、品質の安定化や不良率の低減に直結します。
サーモカメラでは表面温度の測定は可能ですが、金型内部の温度を正確に測定するのは困難です。
一方、熱電対を金型に直接設置すれば、
といった大きなメリットが得られます。
金型への熱電対の設置の方法(弊社製品採用の場合)
金型に熱電対を設置するには、直径1.8mmφ程度の穴を開ける必要があります。
しかし、現在生産中の焼き入れ済みの金型に穴を開けるのは、
といった理由から慎重な検討が必要です。
そのため、弊社では以下のようなタイミングで試験的に導入することを推奨しています。
1.新規の金型製作時
2.金型の更新時
3.試作や実験時(廃型を使用)
特に、試作や評価の段階では、熱電対のチャネル数を多く確保し、問題になりそうな箇所を特定したうえで
量産へ展開するという導入パターンを採用するお客様が多いです。
これにより、問題のない箇所を明確にすることができ、不良予測や品質管理の向上に役立てていただけます。


金型メーカーとの連携でスムーズな導入:成功事例
前項にて、金型への熱電対の設置方法を説明いたしましたが、実際は金型への加工に不安を感じる方が多いと思います。
しかし、実際には金型メーカー様であれば、比較的簡単に穴を開けることができます。
過去の事例として、弊社・お客様・金型メーカーの三社でMTGを行い、CADデータを共有しながら、
冷却管の位置などを考慮しつつ最適な穴の配置を協議し、その場で設計を決定したことがあります。
このように、事前に関係者間でしっかり打合せを行うことで、導入ハードルを下げつつ、
最適な温度監視・温度管理を実現することが可能になります。
熱電対をつけっぱなしにする工夫
熱電対による温度計測を検討している多くのお客様から、「熱電対を設置した後、毎回の作業で取り外すのはてまがかかる」
というお声をいただきます。
そのため、弊社では、補償導線を使用し、接続コネクタを利用して抜き差しを容易にすることで、型交換時にも
熱電対ごと交換できる仕組みを整えることで、作業の効率化を図る仕組みを提案させていただいております。
まとめ
金型に熱電対を設置することで、
●より正確な温度監視が可能
※正確な温度管理も繋がる
●生産品質の向上に繋がる
●生産工程の最適化が図れる
といった多くのメリットがあります。
導入に際しては、弊社がサポートしながら、最適な熱電対設置方法をご提案します。
「金型の温度監視を見直したい」「導入を検討しているが、どこから手を付ければいいかわからない」
という方は、是非一度ご相談ください。

