この度、2025年2月28日(金)に行われた「仙台X-TECHイノベーションアワード2025」にて、
舞台ファームチームとして取り組んだ、「世界初!レタス生育管理AI化プロジェクト」が最優秀賞を受賞しました!
本プロジェクトでは、植物工場でのレタス生産をAI技術で最適化することを目指し、環境データや画像データを
活用した生育予測モデルを開発しました。



チーム構成
プロジェクト背景
舞台ファーム様は宮城県仙台市に拠点を置く農業会社で、1日最大5万株のレタスを収穫できる植物工場を運営しています。
工場では長年にわたり環境データを蓄積し、紙媒体で管理していた生育情報をアプリ化・可視化するなど、データ活用を進めてきました。
しかし、更に効率を高めるためには、レタスの生育を正確に予測し、生産管理に活かすことが重要な課題となっていました。
現在、環境データは取得できているものの、それがレタスの成長や重量にどのような影響を与えるのかを分析・活用する仕組みは整っていませんでした。
このような課題に対し、AIを活用してレタスの生育を予測し、最適な環境条件を導き出すことを目指したのが本プロジェクトです。
舞台ファームチームでの取り組み
当社は、舞台ファーム様からの課題に対し、画像解析AIと環境データ分析AIの2つの技術を活用して解決を図りました。
①画像解析AI:レタスの重量予測(弊社担当)
- 21日目(収穫時のデータ)を撮影
※今後はレタスの成長過程を7日目、14日目、21日目のタイミングで撮影を実施予定。 - 真正面、真上の2方向からの画像データを収集
- AIモデル(ResNet)を用いて、画像からレタスの重量を推測
- 収穫時の重量を高精度で予測できるモデルを構築
この技術により、従来の手作業による3株の抽出方式ではなく、より大量のデータをもとに正確な重量予測が可能になると考えています。
②環境データ分析AI:最適生育条件の解析
- 温度・湿度・光量(PAR)など環境データを分析
- XGBoostを用いた機械学習モデルで、生育パターンを解析
- 主要な影響因子を特定(例:PARが15mol以下だと補光が必要)
- AIが「この環境ならレタスが大きく育つ」といった最適条件を提案
この分析により、例えば「日中の平均温度を20℃~27.5℃に保つと生育が良くなる」など、具体的な改善策を導き出すことができると考えています。
実際のイメージと今後の展望
今後は、これらのAI技術を生産管理ダッシュボードに組み込み、以下のような運用を目指します。
- ダッシュボードで生育状況・重量予測を可視化
- AIが「最適な光量・温度・湿度」などを提案
- 生育状況が基準値を下回った場合、自動で改善策を提示
現在はPoC実験のフェーズにあり、実際の環境でデータを収集しながら、AI精度向上を進めています。
本プロジェクトのようなAIを活用した生育管理技術は、最先端の農業国・オランダでもまだ確立されていません。
私たちは、日本・東北仙台から、世界に先駆けて農業のAI化を実現することを目指しています。

引続き、本プロジェクトの進展にご期待ください!
匠ソリューションズ(株) エッジソリューションチーム
当社「エッジソリューショングループ」では、 AI技術を活用したソリューションの設計・開発を手掛けています。
一例として
●NVIDIA Jetson活用による小型/高速化
●CPU、GPUのプログラム最適化
など、さまざまなサポートをいたしますので、 お気軽にご相談ください。
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