当社では昨年、3月8日(金)に行われた仙台市主催の「仙台X-TECHイノベーションアワード2024」に参加。
AI部門で「クラウドAIとエッジAIで創る次世代AI」をテーマにプレゼンテーションを行い、優秀賞を受賞しました。
受賞を機に、当社のエッジソリューションチームではこのテーマに基づくプロジェクトの実現に向けて研究・開発を継続してきました。
今年の仙台X-TECHイノベーションアワード2025では、1年間の成果報告を会場にて発表する機会をいただきました。

仙台X-TECHイノベーションアワードとは?
「仙台X-TECHイノベーションアワード」は、AIやIoTなどの先端IT技術とさまざまな産業を掛け合わせ(X-TECH)、
新たなビジネスやINNOVATIONを創出することを目的としたアワードです。
本プロジェクトについて、公式の説明では次のように述べられています。
本プロジェクトは、AIやIoTをはじめとする先端IT技術とさまざまな産業との掛け合わせ (X-TECH:クロステック)による新事業の創出や、それをリードする先端IT人材の育成・交流により、テクノロジーの力でイノベーションを生み出し、仙台・東北で暮らす人々が豊かさを実感できる未来を目指すプロジェクトです。
https://bd.techplay.jp/sendaixtech
また、今年度はAIの活用に加え、データの利活用にも着目した「データインフォームド」型のアプローチが推進され、
地域企業のビジネス変革や付加価値の高い事業創出を支援しています。
昨年度発表内容

以下に昨年度の発表内容を簡単にまとめました。
受賞テーマは「クラウドAIとエッジAIで創る次世代AI」。本プロジェクトではクラウドAIとエッジAIを組み合わせることで、
より効率的で高度なAIシステムを実現すること目指しています。
具体的に実現したいアイデアの一つとして接客AIロボットを考えました。
ロボットの実現により、接客業務をAIに委ねることで、人材不足の解消にも役立つと考えています。
当社は、クラウドとエッジ、それぞれの利点を最大限に活かすハイブリットなAIアーキテクチャを提案し、
処理の最適化やデータ活用の高度化を図ることで様々な産業への応用を可能にする技術開発に取り組んでいます。
↓↓昨年の発表内容の詳細は下記をご覧ください。↓↓


成果報告の概要
昨年度の「接客AIロボット」というアイデアを実現するため、開発を進めてきました。
本プロジェクトでは、カメラで通行人の情報を認識し、そのデータをもとにAIが自然に話しかけるシステムを
構築することを目指しています。
人間のように自発的に接客を行うAIが実現できれば、店舗や観光地などでの接客を機械で代替する新たな可能性が
広がると考えています。


このシステムでは、エッジAIとクラウドAIを
組み合わせることで、カメラで取得した情報
をエッジAIで処理し、クラウドAIが適切な接
客・提案を行う仕組みを採用しました。
エッジAIが画像処理を担うことで、撮影した
写真などをインターネット上にアップロード
する必要がなく、プライバシーの保護を確保
できるのも大きな特徴です。
しかし、提供する情報の正確性や個別最適化の問題があり、より高度な処理を実現するために現在は、
エッジAI×クラウドAI×量子コンピュータのシステムの開発を進めています。
量子コンピュータの活用と期待される効果
本プロジェクトでは、量子コンピュータの「量子アニーリング方式」とLMM(大規模言語モデル)をエッジデバイスに組み込むことを検討しています。
これにより、以下のようなメリットが期待できます。
✅計算の高速化
組み合わせ最適化問題の解決を高速化し、より迅速な提案を実現
✅省電力性
従来のコンピュータに比べて消費電力を抑えた処理が可能
✅高いセキュリティ
データをローカル処理することで、情報漏洩リスクを低減


特に、組み合わせ最適化問題の計算は従来のコンピュータでは処理が困難ですが、量子アニーリングを活用することで、
ローカル環境で高速かつ効率的に計算を行い、より精度の高いリアルタイム提案を実現できると考えています。






今後の展望
現在、2025年4月頃の完成を目指して開発を進行中です。
今後の課題として、
・エッジAIの精度向上と検出対象の拡大
・LLMの強化
・応対速度の向上
といった技術的な改善に取り組んでいきます。
最終的に、この技術が実際に街中で稼働し、仙台の都市体験を向上させることができれば、「仙台市が面白れぇ都市」になるのではないかと期待しています。

